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入金管理のやり方 — 「請求したのに振り込まれない」を防ぐ仕組み

「請求書は出した。でも入金されたかどうかは、正直あいまい」——ひとりで仕事をしていると、売る人と回収する人が同じなので、請求後の確認はどうしても後回しになります。この記事では、支払サイトの数え方、入金予定の一覧化、未入金に気づいたときの連絡の順番までを、実務の流れにそって整理します。

「請求したのに気づけない」が起きる構造

未入金が怖いのは、金額そのものより気づくのが遅れることです。請求書を送った瞬間は達成感がありますが、その後は次の案件が始まり、入金日には別の作業をしています。銀行口座を見ても、複数社からの入金が混ざっていれば「どれがどの請求か」までは追えません。

ここに、ひとり事業者特有の事情が重なります。取引先の経理は請求書を受け取って支払処理を進めますが、受け取っていない・担当者の手元で止まっている・請求書の宛名や振込先の記載に不備があって差し戻されているといったことは実際に起こります。しかも相手からは連絡が来ないことがほとんどです。つまり、こちらが確認しない限り、止まっていること自体が分からない——これが放置の正体です。

逆に言えば、「いつ、いくら入るはずか」を先に書き出しておくだけで、問題の大半は早期に見つかります。特別な会計ソフトも督促の技術も、その前段には要りません。

締め日と支払サイト — 実際には何日後に入るのか

取引条件でよく見る「月末締め翌月末払い」は、慣れないと感覚がつかめません。分解するとこうなります。

この条件で、4月1日に納品した仕事を考えてみます。締めは4月30日、支払いは5月31日。納品日から数えると約2か月後です。同じ条件でも4月28日納品なら入金は約1か月後になり、月初の仕事ほど回収が遅くなります。これが「翌々月末払い」になると、月初納品分は入金まで約3か月かかります。

さらに、支払日が土日祝に重なったときの扱い(前営業日か翌営業日か)は取引先ごとに違います。ここを勘で処理すると「1日遅れただけ」を未入金と勘違いして、気まずい連絡をしてしまいます。日数を正確に数えたいときは 日付計算ツール に納品日と支払日を入れて、実際の間隔を確認しておくと安心です。着手前に「この仕事の入金は何月何日か」を言えるようにしておくのが、資金繰りの出発点になります。

入金予定表は7列で足りる

管理表は凝るほど続きません。表計算ソフト1枚に、次の7列だけ用意すれば実務は回ります。

  1. 請求日
  2. 取引先
  3. 件名
  4. 請求金額(税込)
  5. 入金予定日
  6. 入金日
  7. 実際の入金額

使い方は単純で、請求書を送った日に上の5列まで埋め、通帳を見た日に残り2列を埋めるだけ。入金日が空欄のまま予定日を過ぎている行が「要確認」です。週に一度、この空欄を眺める時間を5分取れば十分機能します。請求書の作成そのものは 請求書ジェネレーター で済ませ、発行と同時に1行足す流れにすると記入もれが減ります。

コツは、月ごとにシートを分けないこと。分けると未入金の行が過去シートに取り残されます。1枚に積み上げ、入金済みの行を薄い色にしていくほうが、追いかけるべき行が自然に浮かび上がります。

確認する曜日も決めてしまうと定着します。多くの取引先の支払日は月末や25日に集まるため、その直後の平日に見る習慣にすると、1回の確認で複数件をまとめて処理できます。通帳やネットバンキングの明細は振込名義が略称になっていることが多いので、「どの名義がどの取引先か」を表の取引先欄に併記しておくと、突き合わせの手間がぐっと減ります。

金額がずれるときに疑うこと

「入金はあったが金額が違う」も、未入金と同じくらいよく起きます。多いのは次の3つです。

ひとつめは振込手数料。取引先が手数料を差し引いて振り込む運用だと、数百円単位で少なくなります。どちらが負担するかは契約や商慣行によって異なるため、金額の大小より「事前に決まっているか」が重要です。

ふたつめは源泉徴収。原稿料やデザイン料など一定の報酬は、支払う側が所得税分を差し引いて納付します。2026年7月時点では100万円以下の部分に10.21%という税率が一般的で、請求額30万円なら3万円強が引かれる計算です。仕組みは 源泉徴収の仕組み にまとめました。対象になるかどうかや最新の要件は、国税庁の公表情報や税理士にご確認ください。

みっつめは一部入金や相殺。分割払いの条件だったり、こちらが購入した分と相殺されていたりするケースです。差額が何割にあたるかを 割合計算ツール で出すと、手数料程度のずれなのか、源泉相当なのか、まったく別の原因なのかの見当がつきます。原因の仮説を持ってから連絡するほうが、話が早く終わります。

そして、同じことを繰り返さないために効くのは契約前のすり合わせです。金額と納期だけ決めて走り出すと、支払条件は相手の運用にそのまま従うことになります。最初のやり取りの中で、次の4点だけは文字にして残しておきましょう。

メール1通で足りる内容ですが、この確認があるだけで「聞いていない」がほぼ消えます。回収の手間は、契約時に減らすのが一番安い——遅れてから動くより、条件を先に確定させるほうが結果的に短く済みます。

よくある質問

Q. 入金予定日を過ぎました。何日待ってから連絡すべきですか?

決まりはありませんが、2〜3営業日過ぎたら動く事業者が多いようです。振込のタイミングや休日の関係で1日程度ずれることはあるためです。連絡は督促ではなく「請求書が届いているかの確認」から始めると、行き違いだった場合もお互いに気まずくなりません。

Q. 最初の連絡はどう書けばよいですか?

短く事実だけで十分です。請求書番号・発行日・金額・当初の予定日を並べ、「お手元に届いておりますでしょうか。行き違いでしたらご容赦ください」と添える形が使いやすいです。担当者ではなく経理窓口が処理していることも多いので、宛先を確認して送るとより早く進みます。

Q. 何度確認しても支払われない場合は?

まずはメールなど記録の残る手段に切り替え、請求内容と経緯を時系列で残しておきます。取引の内容によっては下請代金の支払期日に関する法律が関わることもありますが、該当するかの判断は個別の事情によります。長期化しそうなときは、公的な相談窓口や弁護士など専門家への相談を検討してください。

まとめ

入金管理でやることは、①着手時に入金予定日を確定させる、②請求と同時に1行書く、③週に一度空欄を見る、の3つだけです。仕組みにしておけば、思い出す努力も、気まずい催促も減っていきます。まずは今抱えている案件の入金予定日を、1枚の表に書き出すところから始めてみてください。

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